Fly High

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2次創作

ドラ◯もん エネルギー節約熱気球 その後part2

 裏山に到着した静香は、暗闇を見つめていた。いつもは昼間の太陽の光がとても暖かく照らしている空間。しかし夜ともなると、街灯もなく暗闇が支配する世界だった。ちょっと恐怖も感じるが、よく知ってる場所でもあるのでゆっくりと足を踏み入れた。
 あまり周りが見えないが、記憶をたどり山頂へ歩みを進める。目指しているのは一本杉だ。思わぬ段差につまずきそうになりながら、しかし確実に山頂に近づいていく。夜の闇の中、うっすらと一本杉が見えた。到着して振り返ると、目の前には町の夜景が広がっていた。家々の窓からこぼれる灯りがとてもキレイだった。
「わぁ、きれい……」
自分が全裸だということを一瞬忘れ、静香は目の前に広がる夜景に見とれていた。草の上に座ると、お尻に直接触れ新鮮な感触を覚えた。
「そうだ、あたし……裸だったんだ」
これからどうしよう…… 一抹の不安が頭をよぎる。無事に帰れたとして家についたらきっと親が心配しているだろう。そんな中に全裸で帰ったらなんて言われるだろう。さらに全裸で町を歩いて帰ってきたなんて……。自分ではどうしようもなかった。
 とその時、後ろで物音がした。あせってふり返ると、酔っ払いがフラフラ歩いているのが見えた。ひとときの安らぎの時間が終わった。静香は気づかれないようにこっそりと一本杉の陰に体を隠した。酔っ払いは最悪なことに静香の隠れている一本杉へ近づいてきている。もはや何もできない状態だ。いまここで逃げ出したりすれば逆に見つかってしまうだろう。幹をはさんですぐ後ろからその男のため息が聞こえてきた。心臓の音が聞かれてしまいそうだった。そしてその男は幹に寄りかかり座り込んでしまった。まったく動き出す気配がない。どうしよう……。しばらくそのまま待ち続けた。何やらわけのわからないことを言っている。酔っ払いのひとり言だが、静香には恐怖でしかなかった。当の本人はごきげんなのだろう、鼻歌を歌い始めた。
 ドサッという音が聞こえ、その男の頭が見えた。思わず声が出るのを必死でこらえた。ここで振り返られれば確実に見られてしまう。静香はゆっくりと音を立てないように見えた頭から逃げるように移動した。だが、頭だけを気にしすぎていた。頭が見えないように幹を回っていたら、男の足に触れてしまったのだ。
「んあ…… なんだぁ…… だれだ?」
気付かれた……。もう逃げるしかなかった。なりふりかまっていられる状態ではない。思い切って男の目の前を走って行く。
「おぉ? なんで女の子が裸でいるんだぁ?!」
タイミング悪く月が出ていて、その男に裸を見られてしまった。しかし立ち止まったりしたら何をされるかわからない。かまわず走り抜けた。
 ある程度はなれると、静香は男が追ってこないことに気づいた。ゆっくりと息をととのえる。そうか、酔ってたから動けなかったんだ。記憶もおぼろげだっただろうから静香のことも覚えていまい。一度大きく深呼吸をした。このあと再び恥ずかしい姿のまま町の中を歩いて帰らなければならないのだろうか。それに先ほど考えた家についてからのことが静香の歩みを止めさせた。親になんて説明しよう? 答えなど思いつくはずもなかった。しかしこのままここで立ち尽くしていると先ほどの酔っ払いが下りてくるかもしれない。と、その時。
「静香ちゃぁん!」
自分を呼ぶ声が聞こえた。聞き覚えのある声。思わず近くの藪に身を隠す。現れたのはのび太だった。手にはステッキを持っている。人探しステッキ、かすかに見覚えがあった。確実に見つかる。しかし、最悪の結果はまぬがれた気がした。
「のび太さん、ここよ……」
藪から顔だけを出して答える。
「静香ちゃん、よかった。」
「こっち来ないで」
静香と違い、すでに服を着ているのび太。あたしがこんな恥ずかしい思いをしているのになんで……。と腹も立てたが、今までの心細さからは確実に解放されていた。
「うちに静香ちゃんのママから電話があったんだ。まだ帰ってないって。だから心配で」
「このまま帰れないもん」
今までの心細さとこれからの解決策が見つからないといことで思わず目から涙があふれた。状況を理解したのび太にも解決策が思いつくわけもなく、とりあえず持っていたタケコプターを静香に渡し、一旦のび太の家に行くことにした。
 タケコプターを頭につけ、飛び立つ二人。静香にいたっては夜とはいえ全裸で空を飛ぶというとても恥ずかしいことをしてしまうがこの際仕方ない。のび太に振り返らないようにきつく言い、飛び続けた後のび太の部屋に入った。のび太にタオルを借り、ようやくさらし者の状況を脱した。その後、着せ替えカメラを使い、衣装を着たあとタイムマシンに乗り、熱気球に乗って飛び立ったあとの時間に戻ってもらった。無事に帰り着いた静香は、のび太に腹を立ててはいたが、心配で探しにきてくれたことで心の底では許していた。あの忌まわしい出来事を覚えているものは他にはいない。大きな安心感が静香を包んでいた。

(終わり)

ドラ◯もん エネルギー節約熱気球 その後 part1

 ライターの炎だけで空が飛べるというエネルギー節約熱気球。定員2名だからとド◯えもんをおろして静香ちゃんと二人で飛んで行ってしまったのび太くん。ライターのガスがきれかかり、少しずつ自分たちのきていた服を燃やして帰ってきた。帰り着いた頃には二人とも全部燃やしてしまって真っ裸となっていたのだった。

「だからいやだといったのに!」
 困ってしまったのはそれからだ。到着したのはいつも遊んでいるあの空き地だったから。のび太はドラえ◯んと一緒に帰れるが、静香は一人だ。いや、一緒にきてと頼めばのび太のことだ来てくれるだろう。しかし、その間ずっと自分の全裸を見られてしまうことになる。それはとても耐えられなかった。
 二人と別れた静香はゆっくりと自分の家の方角へ歩き出した。夜の風が普段は当たることのない場所へ当たる。
「恐い……。」
ソロソロと足を進めるが、いつ誰と会うか分からない。キョロキョロと辺りを見渡しながら歩きつづける。一番困るのは曲がり角だ。その先に誰か歩いているかもしれない。様子を見たいのだが、だいたいそこには街灯があってとても明るいのだ。街灯の光の中へ入ることなど静香にできるわけはなかった。少し危険だが、遠まきにかどの向こうを確認する。誰もいない……。急いでそこを走り抜ける静香。しかし、その後静香に大変なことが降りかかる。
 次の角を確認しようとした時、明らかに聞き覚えのある声が聞こえてきた。担任の先生だ。誰かと携帯で話しているようだ。逃げなくては! しかし逃げるとなると今必死に歩いてきた道を戻ることになる。だが見つかっては身の破滅だ。先生には優等生として信頼もされている。それが壊れてしまうだけではなく、問題児として見られてしまうことにもなるだろう。
「のび太さんのせいだからね……。」
そんなこと思ってみてもしかたない。この危機が去るわけではないのだから。
 ふと目を凝らすと街灯の光の中にある塀の隙間に隠れることができそうだ。必死でその間に滑り込む。入りこむ瞬間光に自分の肌が照らされる。隙間に入って座り込みたかったが、狭くてとても無理だ。壁に乳首がこすれヒリヒリしたが、何とか隠れることはできた。
「お願い、こっち見ないで……」
祈るような思いで通り過ぎるのを待った。幸い先生は電話で話しながら通り過ぎていった。しかし、すぐに出るわけにはいかない。しばらくその場で様子をうかがうことにした。
 静香は昼のことを考えていた。熱気球に乗って空をゆったりと飛んでいる時はまさかこんな目に遭うとは思ってもいなかった。なぜもっと早く帰ろうと言わなかったのだろう。いや、言ったところで調子に乗ったのび太が帰ろうとはしなかっただろう。あぁ、どうして……。いや、後悔はまず無事に帰ってからだ。再び気持ちをふるいたて帰路についた。
 いよいよ最後の四つ角だ。そこを左に曲がればもう自分の家が目の前に。そこで静香はちょっと油断をしてしまった。もう帰れると思ってつい勢いよく道に出たところに一台の車がせまってきていた。しかも、静香の家の方からきている。何ということだろう。このまま家に向かって進めば確実にすれ違うことになる。考えるより先に体が動いていた。曲がるはずの角を直進し、少しでも遠くに、ただ走った。先ほどまでは胸やあそこを手で隠しながら進んでいたが、今はそんなこと考えてはいられない。あられもない姿で、恥ずかしいかしょをさらしたまま走った。どうやら車は追いかけてはこなかった。辺りを見ると目の前にはいつも通っている静香の学校があった。
「あたし…… こんな姿で学校に来ちゃった……」
いつもの風景を思い浮かべながら、自分がどれだけ恥ずかしい姿でいるのか実感する。校門に触れるとあたり前のことだが鍵が閉まっていて入れない。改めて帰路につこうという時、静香にふとある思いがよぎった。
「裏山に行ってみようかしら」

(続く) 
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